2008年11月01日

1991年11月2日のサントリーホール

1991年11月2日

今からちょうど17年マイナス1日前の日。

俺は15歳にしておっさんみたいではあったが、財布の中身は単なる中坊だったので、聞けなかったのである。

クーベリック指揮チェコフィルの「我が祖国」。

テレビでも放送され、何度も見た映像。
CDでも発売され、こうしてDVDで見ることになるとは思っていなかった。
久しぶりに映像で見ると、いろいろと見えてくる。
感動よりも何より、チェコフィルの連中はいつもと同じように、全く肩に力が入っていない。
全く違うのは、集中力。
全員がクーベリックがやりたい音楽の方向しか見ていない。
出てくる音は、とてつもなく巨大だ。
何がどうとか上げるとキリがないから、上げない。

簡単に言えば、親に土下座してでもチケットを買ってもらうべきだった。

黄金時代を誇ったホルン。
今は亡きズデニェク、そして兄。口を壊しチェコフィルを去ったペトラーシュ←今はブルノ音楽院の教授。
ペトラーシュは「ブラニーク」の真ん中でフルートのヴァーレク、オーボエのセクアルト、クラリネットのドクサンスキー等と共に良い仕事をしているので、とても惜しい人材だ。
そして定年退職したフルディナ、ベラーネク。

今も人は変わらないが、席順の変わったトランペット。
50歳で最も脂の乗っているケイマルさんは、本当に凄まじい。
特になんて言うのもなんだが「ブラニーク」のコラール。
ベルが明後日の方向に向く。

誰がどうとか言い出すとキリがない。
ビオラのシュペリーナ、ジェハクもいないしね。
テューバもホザさんも。

先に名前の出た個人的に愛して止まないクラリネットのドクサンスキーさんがソロを吹いているのが嬉しい。ビブラートを掛けて歌いまくる伝統的な奏法を今に継承している数少ない人である。

この1991年は壮大な日本ツアー↓であった。
http://www.geocities.jp/czechphilhamonic/czechphil1991injapan.html

ほとんどをビエロフラーベクが指揮したが、クーベリックとノイマンが2公演づつ指揮をした。
ノイマンのドヴォ7&8は、ライブ録音されCDで聞ける。これもまた凄い演奏である。
ビエロフラーベクも、ティルシャルさんほかをソリストでモーツァルトの協奏交響曲を演奏している。
他にも第9、ドヴォルジャーク「スターバト・マーテル」を演奏。
豪華極まりないものであった。
バブルな時代であったことも反映しているであろう。

この後、この3人の指揮者はチェコフィルと共に日本に来ていない。
クーベリックは、この日が生涯最後の演奏となる。
ノイマンも最後の来日だった。

クーベリックは、この日の演奏に完全に満足したに違いない。
天才バイオリニストでチェコフィルの発展に大いに貢献したヤン・クーベリック(ドヴォルジャークホールには、ヤンを記念した常設展示がある)を父に持ちながら、歴史に翻弄されてチェコを離れたラファエル。
なんどという感傷もあるが、やはりラファエルの才能と、チェコフィルの力、そしてチェコフィルからそれだけのものを引き出す力は、凄まじいものがあったと言わざるを得ない。

あの忌々しい時代がなければ、そのままクーベリックはチェコフィルを率い続けていたに違いない。そして素晴らしい演奏を聞かせ続けてくれたであろう。

などと思いつつ、目頭が熱くなる演奏であることに違いはない。
朝から、こんな凄い演奏を聞いたら、一日のエネルギーを全て使い果たしてしまったようなものだ。

もうビール飲んで寝るかな。
posted by CZ-Pivo at 11:16| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>ビエロフラーベクも、ティルシャルさんほかをソリストでモーツァルトの協奏交響曲を演奏している。


これは生で聴きました。
いま考えると大学一年生で初めて聴いた外国のオーケストラ。
よく分からずになんか凄いな位でした。
いまだったらちゃんと聴きいるんでしょうねぇ。
この時のメインはブラ1でした。
だれがトップかは未だに不明です。
誰でしょう?。
Posted by あくちゃん at 2008年11月01日 17:04
>あくちゃんさん

この時は、ベラーネクがすでに2番に下りていたので、ペトラーシュがブラ1のソロを吹いたのだと思います。
第9のソロとか誰だったのだろうと。
ノイマンの映像を見ると、ティルシャルさんが神憑り的なソロを吹いているのですけどね。

今思うと何で行かなかったのかと思います。
私の最初は1996年です。
もちろんティルシャルさんもいましたけどね。
Posted by CZ at 2008年11月01日 19:40
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